2011年9月1日木曜日

継続は力

「継続は力なり。」
小学生時代の恩師から賜った言葉で、今も忘れられないものです。
先生は私の幼年期にあって稀なほど尊敬すべき(というのは、当時の私の観察力で尊敬に値する資質を見出しうるという意味ですが。もちろん先生以外にも大勢尊敬すべき大人はいたことでしょう)人物でした。
この言葉はなにかノートに書いていただいたように思うのですが、そのノート自体は行方が定かではありません。
しかし、言葉は記憶に残り続け、折々思い出されます。
座右の銘と言ってよいでしょう。

しかし、一般に座右の銘というものは、わざわざ座右に置いていちいち朗誦せずとも達成しうるものなら、とりたてて大騒ぎして座右の銘にするほどのものでもありません。たとえば「毎朝ご飯を食べよう」とか。いや、守れない人もいるのかな。でも私は意識しないでも朝食を抜かすことはありません。時々昼を省略することはあるけど。
どちらかと言えば、毎日お題目のように唱えても達成できない難事であるからこそ、その言葉を後生大事にして、ことあるごとに自らに言い聞かせて戒めるのでしょう。
御想像の通り、私はこの言葉をほとんど活かすことができないでいます。

継続は力なり、とは恐ろしいほどに真実ですが、言葉を逆にしてこう言ってもいいかもしれません。
「継続しないものは力ではない」
積み重ねなしに突発的になされた行為はなにごともなしえない。たとえなしえたとしても、それを偶然の賜物ではなく、当然のなりゆきだと考えることは愚の骨頂です。
物事を深く考えたり、絵や文章を作ることに楽しみを見出す人なら誰でも、インスピレーションを信じているでしょう。
それは瞬間の出来事です。それが訪れれば、瞬時にして私たちは普段とは比較にならないような思考や精神の高みにまで上り詰めることができます。
しかし、その高みへの上昇が、一瞬の達成であると考えてはなりません。
そのような達成の陰には、その瞬間の何倍にもおよぶ努力の継続があったのです。
ソースを忘れましたが、ピカソは次のように言いました。
「インスピレーションを待つな。探しに行け。」
インスピレーションを求める絶え間ない継続があってこそ、それに出会うことができる。

ところで今日はめずらしく敬体で書いてみましたが、いかがでしょう。
宗教のパンフレットのような文章になりました。

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